2021年10月、箱根エリアでは小田急箱根ホールディングス株式会社によって、モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)が導入されました。このMaaSサービスは、従来の「箱根ナビ」を大幅にリニューアルし、多彩なデジタルチケットや便利なプランを提供するものです。
新たなデジタルチケットとしては、「大涌谷きっぷ」や「芦ノ湖きっぷ」などの行先別チケットが登場しました。また、車で訪れる観光客向けに、「箱根のりものLite」などのプランも導入され、箱根エリアの乗り物をコンパクトに楽しむことができます。
更に、11月には箱根湯本駅と芦ノ湖を結ぶ定員制バス「芦ノ湖ライナー」の座席券の販売も始まりました。これにより、箱根ナビを利用することで、移動に関する検索、予約、決済がスムーズに行えるようになりました。
2021年12月1日から2022年2月28日までの期間限定サブスクリプションとしては、「はこチケ」プラスが提供されました。このサービスでは、小田急線の往復が2日もしくは3日乗り放題と、約70のスポットを割引料金で利用できるフリーパスが販売されました。また、有効期間中は対象の美術館や温泉などの観光施設を何度でも利用できるため、観光客にとって大変魅力的なオファーとなりました。
箱根MaaSの目的は、近場の観光地への公共交通利用の促進です。そのため、公共交通利用時の予約、決済、改札通過のシームレス化や座席指定制が導入されました。以下に、箱根MaaSが提供する主な交通およびサービスを挙げます。
Emotのサービス
ここではEmotの具体的なサービスについて解説します。
Emotの交通に関するサービス
- 鉄道:携帯端末上の2次元コードで改札通過可能、特急列車の座席予約・特急券購入が可能
- 定員制特急バス:予約・購入可能
- ケーブルカー:電子チケットで乗車可
- 路線バス:電子チケットで乗車可
- ロープウェイ:電子チケットで乗車可
- 観光船:電子チケットで乗車可
交通以外のサービス
- 観光施設等の入場券
- 温浴施設の利用券
- 飲食店における割引優待券、引換券等
箱根MaaSの問題点
一方、箱根MaaSやEmotには問題点もあります。箱根フリーパスで乗車できるのは箱根登山バスのみであり、伊豆箱根バスでは使用できないという制約があります。このため、同じ方向に行くバスであっても、箱根フリーパスでは伊豆箱根バスに乗れないことがありとても不便です。実際に、日本人旅行者だけでなく外国人観光客においても、この制約が理解しづらいことから混乱が生じています。この問題を解決するためには、箱根フリーパスで乗れるバスと乗れないバスを明確に区別する必要があるでしょう。
まとめ
箱根MaaSにより、観光客は公共交通を利用しやすくなり、車での移動による道路混雑や駐車場入庫待ち渋滞の解消が期待されます。また、箱根MaaSの導入により、観光客はよりスムーズで快適な移動体験を享受することができます。
以下は箱根MaaSに関連したサイトや資料です。
- EMot[エモット] もっといい「いきかた」
- デジタル箱根フリーパス付プラン
- デジタルチケットで新しい箱根旅 | 箱根ナビ
- 箱根ナビ|箱根を周る楽しさがここに
- https://www.ibs.or.jp/wp-content/uploads/2020/06/s2020-2-1.pdf
- https://www.boj.or.jp/finsys/c_aft/data/aft210405a3.pdf
- https://www.odakyu.jp/news/o5oaa1000001tpag-att/o5oaa1000001tpan.pdf
-
https://www.odakyu.jp/news/o5oaa10000020skh-att/o5oaa10000020sko.pdf
なお、MaaSについては以下を参考にしてください。